神奈川県動物保護センターからの保護犬です。家庭の事情で放棄されました。
引き出し時は本来の純白の毛色とはほど遠く、とても酷い状態でした。体中に掻き壊してしまった跡があり、目の周りや耳の中も汚れ放題。毛は無残にザン切りにされていました。愛情を持って飼育されていたとはとうてい考えられませんが、それでもこの子は人間が大好きです。
おもちゃやおやつにも見向きもせず、ただただ人間の顔を見つめ、一生懸命しっぽを振っています。撫でればすぐにお腹を出してうっとりとします。今はまだオスワリもマテも何もできませんが、そんなことできなくてもいいよ、とつい言ってしまうくらいいい子にしています。
つぶらな瞳と小さな体、また被毛・皮膚の状態から弱々しい性格を想像しがちですが、臆病なところや頑固なところはまったく見られず、いつも愛嬌たっぷりで明るく、また動きも活発です。
こちらを見つめながら足下でピョンピョンクルクル回っている様子は「うふふっあははっ」という笑い声が聞こえてきそうなほど楽しそうです。女性・男性問わず、また子供に対してもまったく同じように大喜びでしっぽを振っています。
他の犬にはほとんど関心がないようです。怖れもせず攻撃的になるでもなく、淡々と「あたしは関係ありません」と流しています。
皮膚の赤みや痒みが残っていますが、これは病気やノミ・ダニによるものではなく、過去の劣悪な飼育環境によるものでしょう。清潔にし、日々の手入れをしながら様子を見ていきたいと思います。
このような悲惨な被毛の状態でも彼女の愛らしさは隠しようがありません。マルチーズらしい真っ白な毛が生え揃えば非常に美しい女の子に変身するでしょう。